健康診断で血液検査をしたら、GOTやGPTの数値が高かった人はいませんか?それは肝臓の機能が落ちているという意味なんです。
ただ、血液検査の結果はアルファベットと数字で書かれていて難しいですし、どうケアしたら良いかもわかりませんよね。
そこで、肝臓に関わる検査項目やその意味、引っかかった時に心配な病気や必要な対応など、みんなが知りたい肝機能の数値について説明したいと思います。
実は、お酒を飲みすぎる人と脂肪が多いメタボの人では、注目すべき検査項目が違うんですよ。
一般的な血液検査では、ALT(GPT)やAST(GOT)、γ-GTPなどの数値で肝臓の状態がわかります。それぞれの数値の意味はあとで説明しますが、その前に気になるのが判定の意味ですよね。
経過観察、再検査、精密検査と言われてもそれぞれどう違うのか、ピンと来ないのが本当のところです。まず、判定の見方から説明しますね。
健康診断の判定 | どういう意味? |
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異常なし | 健康状態に問題なし |
経過観察 | 病気ではないが生活の改善が必要 |
再検査 | 検査結果が正しいか再検査で確認 |
要精密検査 | 病気の疑いがあるので検査が必要 |
要治療 | 明らかに病気なので治療が必要 |
実施団体によって異なりますが、おおよそ判定はこの5つに分かれます。特に気をつけたいのが、要精密検査や要治療の場合ですね。病気の可能性が高いので、すぐにでも病院へいく必要がある状態です。
それとは別に、上手く検査で測れなかったり、何かトラブルがあったかも知れないからもう一度検査したい、という場合は再検査の判定になります。こちらも、早く検査に行ったほうが良いでしょう。
そして、一番どうした良いのか悩むのが、経過観察の判定ですよね。経過観察とは、病気ではないけど次の健康診断までに健康管理して数値を安定させて下さいね、という判定です。
血液検査では項目ごとに健康と言える基準値が決まっていますので、次の健康診断までに数値を基準内に収める事が目標になるんですね。
どの数値が悪かったかで健康管理の方法も変わりますので、次は肝臓に関わる血液検査項目の意味を紹介したいと思います。
血液検査の項目 | どんな異常がわかるの? |
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ALT(GPT) | 肝臓がダメージを受けると上昇する 数値が高い場合は肝炎、脂肪肝、アルコール性肝炎が疑われる |
AST(GOT) | 肝臓や心臓、腎臓などのダメージで上昇する 数値が高くても、ALT(GPT)が低い時は心臓などの病気の可能性も |
γ-GTP | 肝臓や胆汁の通り道に問題がある時に上昇する アルコールの解毒に関わる数値なので、お酒好きは要チェック 数値が高いと肝炎やアルコール性肝障害、胆汁うっ滞などの可能性 |
ALP | 胆汁の流れが悪い時や骨の病気がある時に上昇する |
総ビリルビン | 数値が高いと肝不全や肝硬変の危険性がある |
総たんぱく・アルブミン・血小板 | 肝硬変などで数値が下がる場合もあるので注意 |
LD(LDH・乳酸脱水素酵素) | 飛び抜けて高い場合は肝臓ガンの場合もある |
コリンエステラーゼ(ChE) | 脂肪肝だと数値が上がるが、肝機能低下だと数値が下がる |
ALT(GPT)を簡単に紹介すると、体を動かすもとになるアミノ酸を合成する酵素の事です。肝臓の細胞が壊れると血液中に出てくるため、肝臓がダメージを受けていないかチェックするのに使われるんですね。
肝臓がダメージを受ける時とは、ウイルスやアルコールのダメージで肝炎が起きた時や、肝臓に脂肪が溜まる事で幹細胞が壊れた場合などがあります。
ALT(GPT)が高い時は、お酒の飲み過ぎや脂っこいものの食べ過ぎなどをしていないか、生活を振り返ってみましょう。
AST(GOT)もALT(GPT)と同じく、アミノ酸を合成する酵素です。
ALT(GPT)との違いは、AST(GOT)は肝臓以外に心臓や腎臓などにもある酵素なので、数値が高いからと言って肝臓だけのトラブルとは限らない点ですね。
AST(GOT)が高いのにALT(GPT)が低い場合は心臓など肝臓以外のトラブル、両方高い場合は肝臓を含むトラブルである可能性が高いんです。
つまり、AST(GOT)はALT(GPT)と一緒に見る事で、トラブルの場所を絞れる検査項目なんですね。
γ-GTPとは、肝臓の解毒に関係する酵素です。つまり、毒素であるアルコールの分解に関わる数値ですね。
お酒の飲み過ぎで上昇する事が多いので、γ-GTPが高い人はお酒を飲みすぎていないか思い出してみましょう。また、肥満でも上昇するので、ダイエットも数値安定への近道ですよ。
他にも、肝機能が落ちたり胆汁の流れが悪くなっている場合もγ-GTPが上昇するので、AST(GOT)とALT(GPT)の数値も一緒に高くなっていないかチェックしてみましょう。
3つの数値が全部高い場合、肝臓がダメージを受けて肝機能が落ちている事がハッキリと読み取れます。そうなったら、お酒や脂っこい食事をしっかりセーブして肝臓を休ませるのがベストですね。
γ-GTPのところで少し触れましたが、肝臓からは胆汁という脂質を消化する液が分泌されます。
本来、胆汁は大腸に流れ出て消化を助けますが、その通り道である胆管が胆石などで詰まったり、肝臓の病気で上手く胆汁が分泌されない事があるんですね。
前置きが長くなりましたが、この胆汁の分泌トラブルがわかる数値がγ-GTPやALP、総ビリルビン値です。
胆汁の分泌トラブルを胆汁鬱滞と呼び、皮膚や目が黄色く変色する黄疸が起きたり、全身のかゆみや脂の多い便が出るなどの症状が起こります。身に覚えのある症状だったら、詳しく調べたほうが良いでしょう。
脂肪肝でもアルコールでもウィルスでも、原因に関わらず肝臓がダメージを受けるとAST(GOT)やALT(GPT)が上昇します。なので、肝臓の数値が悪いだけでは原因がわかりにくいんですね。
そこで、肝機能低下では数値が下がり、脂肪肝では数値が上昇するコリンエステラーゼを調べるんです。
コリンエステラーゼは肝臓で作られる酵素なので、肝機能が低下すると分泌の量が減り、脂肪肝だと脂肪代謝のために大量のコリンエステラーゼが作られるので数値が上がります。
お酒を控えるべきなのかダイエットすべきなのか、体調管理のヒントをくれるんですね。
他にも、肝臓のトラブルが重症になると数値が上がる項目もあります。総ビリルビン値や総たんぱく、アルブミン値が異常に高い時は、肝硬変や肝不全など重い肝臓病の心配があるんです。
そして、LD(LDH・乳酸脱水素酵素)が飛びぬけて高い場合は、肝臓ガンが発見される事もあるんですね。
ただ、このような結果が出た場合はお医者さんから治療の提案があるはずです。絶対に自己判断せずに、先生と治療の方針を話し合いましょう。
ここまでの説明とご自身の健康診断結果を見比べて「あれ、自分の検査にこんな項目無かったよ?」という人もいますよね。
実は、血液検査で何を調べるかは健康診断のコースによって変わります。企業で受ける検診だと、20〜30代の若い人は血液検査をしない場合もあるんですね。
そして、一般的な企業の健康診断でもAST(GOT)やALT(GPT)、γ-GTP、たんぱく、血小板は調べますが、それ以外の肝機能に関わる項目は調べないことが多いんです。
もし、詳しく肝臓の健康を調べたい時は自分で病院へ行き、希望する項目を調べてもらうと良いですね。
肝機能の数値がちょっと高い場合、手軽でおすすめなのが肝臓サプリです。肝臓のダメージである炎症を鎮めるクルクミンや、解毒をサポートするオルニチン配合なので肝機能が回復するんですね。
AST(GOT)やALT(GPT)が高い場合は肝臓の炎症を抑えるクルクミンのサプリ、特にγ-GTPが高い人はお酒が影響している可能性が高いので、解毒を助けるオルニチン配合のものがおすすめですよ。
また、肝臓の負担になるお酒や脂っこいものを減らし、リラックスや睡眠、運動を心がけるのも肝機能ケアに有効です。
断酒は無理でも、日本酒なら1合、ビール瓶なら中びん1本程度までお酒を減らすようにしましょう。
また、AST(GOT)とALT(GPT)、γ-GTPの全てが高い場合は肝臓が炎症を起こしている可能性が高いので、しっかり断酒したほうが肝臓の回復に良いですね。
肝臓は解毒や脂質の代謝、脂質を消化する胆汁の分泌など、約500の役目を持つ大切な臓器です。一生付き合う肝臓を健康にするために、肝臓サプリや生活習慣の工夫を始めてみて下さいね。