健康について詳しい人なら「知ってる、ブルーベリーに入ってる目に良い成分でしょ?」とすぐに思いつくのが、アントシアニンですよね。
でも、アントシアニンがどう目に良いのか、説明できる人はきっと少ないのではないでしょうか。ここでは、ブルーベリーなどに豊富に含まれるアントシアニンの健康効果について紹介したいと思います。
最初でも触れたとおり、アントシアニンといえばブルーベリーですよね。実は、ブルーベリーの紫色はアントシアニンの色なんです。
特にアントシアニンが豊富なブルーベリーやその仲間であるビルベリーは、日光の刺激から果実を守るため、アントシアニン色素で体を包むように進化しました。
このアントシアニン色素は人間の体にも有用で、摂取する事でパソコンやスマホのブルーライトなどから目を守ってくれるんですね。また、目の老化や病気を防ぐ作用にも注目が集まっています。
ただ、アントシアニン自体は珍しい成分ではなく、自然界にありふれた色素だったりします。
アントシアニンは酸性度によって紫から緑まで色が変わる、虹色の色素です。なので、黒っぽい紫から赤い実、青い花まで、いろんな植物に含まれているんですね。
普段食べるナスなどの野菜にも含まれているので、みんな知らずにアントシアニンを食べているんです。
そして、アントシアニンは副作用や過剰摂取の危険が報告されていない、とても安全な成分なんですね。サプリメントに配合される栄養素の中でも、特に安全性が高いと言えます。
ただ、フルーツや野菜で1日の必要量を摂取しようと思うとかなりの量が必要ですし、調理する事で栄養素が壊れてしまう事もあるんですね。
目の健康のために摂取したいアントシアニンの量は1日40〜90mg程度とされていて、これはナス1〜2本程度の数値です。
焼きナスや麻婆茄子にすれば食べられなくもない量ですが、アントシアニンは加熱すると壊れてしまう事があります。なので、野菜からアントシアニンを毎日、必要量摂取するのはかなり難しいんですね。
摂取するなアントシアニンが豊富な生のフルーツか、特にサプリメントで摂取すると手軽でしょう。
参考:平成22年・高知県工業技術センター ナスのアントシアニン類
さきほども少し触れましたが、アントシアニンは目を光のダメージから守る成分です。その目や体に良い作用について、もっと詳しく紹介したいと思います。
パソコンのブルーライトや太陽の紫外線が目に入ると有害な活性酸素が増え、細胞が酸化する事で目の病気や老化の原因になってしまいます。
アントシアニンはその有害な活性酸素と結びつく事で目の細胞を守り、目が老化したり傷つくのを防いでくれるんですね。結果的に、これが老眼や白内障、緑内障など目の病気を防ぐ事につながるんです。
明るい場所から暗い場所に移動した時、目がなかなか慣れない事ってありますよね。この暗い場所に慣れる事を暗順応といいますが、アントシアニンにはこのスピードを高める作用があります。
ちょっと専門的な話になりますが、この理由はロドプシンというたんぱく質が影響していると言われています。ロドプシンは光を感じると変化する性質を持ち、網膜に映った像を視神経に伝える特別な物質です。
アントシアニンはそのロドプシンの働きを助けるため、素早く目が暗い場所に慣れるのではないかと言われているんですね。
参考:平成15年・京都大学 カシスに含まれるアントシアニン類の整理機能
人間の目は見たいものを見るために、常にピントを調整し続けています。カメラに例えるとレンズに当たる水晶体と、それを調整する筋肉を含む毛様体でピントを合わせているんですね。
ただ、目を酷使して疲れてしまうと、毛様体の働きが悪くなります。そうなると目がかすんだり、ぼやけてしまう疲れ目の状態になるんですね。
この疲れ目がすっと続いて悪化すると眼精疲労や仮性近視になり、視力が落ちたり不眠や頭痛など体調不良を引き起こす原因になります。
アントシアニンは、この毛様体のコリをほぐす作用を持つので、将来の近眼や眼精疲労を予防してくれるんですね。
光の中でも、目にとって青い光はピントを合わせにくい厄介な色です。なので、スマホやパソコンなどから出る、ブルーライトをずっと見つめている人は毛様体に負担がかかり、目が疲れやすいんですね。
アントシアニンはその毛様体のコリをほぐしたり、有害な活性酸素を自分が引き受ける事でブルーライトの害から目を守ってくれます。
パソコンをよく使うオフィスワーカーの人や、スマホの操作時間が長い人にとってアントシアニンは必須の栄養素と言えますね。
酸化ダメージから目を守るアントシアニンの作用は、老眼や白内障、緑内障の予防にもつながります。目の健康が心配な中高年の方にもオススメの健康成分なんですね。
老眼や白内障を起こしてしまう前に、若いうちからアントシアニンを摂取しておけば、眼病や老眼をある程ど予防できるんです。
また、アントシアニンは目に良いだけでなく、アレルギーや生活習慣病予防にも有効です。アレルギーのかゆみや鼻水などを引き起こす、ヒスタミンを減少させる作用がアントシアニンにはあるんですね。
また、アントシアニンは血行を促すポリフェノールの一種です。血液に乗せて体の隅々までエネルギー配って代謝するようになるので、余分なエネルギーの中性脂肪を減らす作用も期待できるんですね。
中性脂肪の値を抑えるとコレステロールが減る事が多く、血圧が安定する場合も多いと言われています。生活習慣病予防にもアントシアニンは良いんですね。
ここまでアントシアニンの作用について紹介しましたが、実はアントシアニンというのは複数の成分で構成される物質です。
なので、同じアントシアニンという名前で呼ばれていても、原料次第で作用が異なる場合があるんですね。
さきほども触れましたが、アントシアニンを摂取するならブルーベリーなどの果物が良いとされています。そして、そのベリー類を原料にした目に良いサプリも多く開発されていますよね。
ですが、そのベリー類の果物でもアントシアニンの量や性質に違いがあるんです。
原料のフルーツ | それぞれの特徴 |
---|---|
ブルーベリー | ブルーライトなどのダメージから目を守るのに有効 |
ビルベリー | ブルーベリーよりもアントシアニン量が多い ブルーライトなどから目を守りたい時は特にオススメ |
アサイー | アントシアニンが配合されている ビタミン豊富なので目の疲労回復に良い |
カシス (クロスグリ) | アントシアニンが多く配合されている 目の疲労回復に向く種類のアントシアニンを配合 |
量や質から見れば、ブルーライトなどから目を守りたい人にはビルベリーを、目の疲れを取りたい人にはカシス、目の疲れも将来の眼病予防もしたい人はこの2種類両方を摂取したほうが良いんですね。
アサイーも目に良いフルーツですが、アントシアニンというよりもビタミンの作用が大きいフルーツです。疲れ目対策に、ビルベリーやカシスと一緒に摂取するのがオススメですね。
アントシアニンは目に良い作用がいろいろありますが、そのパワーをさらにUPしてくれる栄養素の組み合わせがあるので紹介します。サプリメント選びなどの参考にして下さいね。
目の悩み | オススメの成分 |
---|---|
パソコンやスマホの害から目を守りたい | ルテインなど |
目のかすみや疲れを取りたい | ビタミンB群やクロセチンなど |
目の老化や病気を防ぎたい | ゼアキサンチンなど |
ルテインも天然の色素で、サングラスをかけるように目を光から守る成分です。ビタミンB群やクロセチンも毛様体のコリをほぐすので、疲れ目解消にオススメですよ。
他にも、老化の原因になりがちな紫外線の害から目を守るゼアキサンチンも良いですね。なるべく若いうちからゼアキサンチンを摂取しておけば、目の病気や老化予防にかなり有効と言えます。
こういった目に良い成分があれこれ配合されているのがブルーベリーサプリやルテインサプリといった、いわゆる目に良いサプリです。栄養面から目をケアするなら、やっぱりサプリメントが手軽で便利ですね。
まとめると、アントシアニンは目をダメージから守ったり癒したりする事で、眼病や目の老化、疲れ目などを防いでくれる栄養素なんですね。
しかし、目に良い栄養素と聞くと、劇的に視力が回復するのかな?と期待した人もいるかもしれませんが、それはどんな栄養素にも難しい事です。そこだけは注意したいですね。
視力についての相談は眼科のお医者さんへ、目の健康維持にはアントシアニンといった具合に、上手く方法を使い分けながら目の健康を守りましょう。